Digi-Eightの主旨 アマチュア映画の今までと、これから

 ものを創造するということは、この世の中で格別の喜びです。
 その中で、映像を作るということは、困難も多い分、喜びも格段に大きいものです。

 アマチュアが映像を制作する上で、最初の困難はその手段を持つことだと思います。
 映像制作の現場で使われている製品は、とてつもなく高額であることが多いのです。
 どんなアイデアが頭の中にあっても、手段がなければ実現できません。

過去、8ミリの時代
 過去、8ミリフィルムというメディアがありました。
 8ミリフィルムは比較的安価で、扱いもたやすかったので、アマチュア映画の必須アイテムとなっていました。
 また、制約も多かったのですが、工夫次第で様々な表現ができました。
 しかしホームビデオの普及により、シェアは低下し、現在では機材を手に入れることがほぼ不可能となっています。

 ホームビデオを映画の作成に使う上での問題は、編集の難しさでした。
 8ミリフィルムの場合、ハサミとテープさえあれば、目で直接フィルムを見ながら編集ができました。
 編集作業は映像作成の肝となる部分で、これが満足に行えなければ納得のいくものは作れません。
 家庭用のビデオエディター、ジョグダイヤル付きの高級ビデオデッキをそろえても、それなりの価格になる上に、繰り返し調節しながらの編集にはとても向いているとはいえないものでした。

PCを利用したデジタル編集へ
 ところが最近になって、パソコンの性能が上がり、それまでは難しかった動画を扱うことができるようになりました。
 それとともに、安価に動画取り込みボードや、動画編集用ソフトが手にはいるようになりました。
 また、高性能のパソコン自体が値下がりし、パソコンをベースにした映像制作が、現実的なものになってきたのです。
 再び私たちは、映像作品を作る機会を得ることができそうです。

 もちろん、プロクオリティの作品を、安価な家庭向け機材で作ることは不可能です。
 8ミリフィルム時代でも、16ミリフィルムという選択肢はありました。
 機材価格もランニングコストも遙かに高価な16ミリは、8ミリよりも遙かに画質がよかったのです。
 しかし、8ミリフィルムには8ミリフィルム独特の味がありました。
 機材や設備のなさを補うために、様々な工夫がなされてきたのです。
 それはアマチュア映画の醍醐味ともいえるものです。

アマチュア映画団体、Digi-Eight
 いまや、お金さえかければ、映像は何でもできます。
 CG技術を使えば、頭に描くとおりの自由な表現が可能です。

 しかし、それが必ずしもよいものを生むと私は考えません。
 不自由だからこそ、生まれるものがあると信じます。
 困難を前にした緊張から、ふとした偶然から、よいものが作り出されるのです。
 それが、アマチュア映画の良さであると、私は考えます。

 舞台をデジタルに移しても、8ミリフィルムで築いたアマチュア映画精神は忘れない。
 それがDigi-Eightの目指すものです。

Digi-Eight主催:嶋崎雅哉

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