クレイアニメーションの作成

 99年2/6にクレイアニメーションの実験撮影を行いました。
 かなりいい感じに出来上がり、本編が楽しみです。

当日使用した機材

デジタルスチルカメラ 富士フィルムDS-20
記録メディア スマートメディア8MB
データ転送 フラッシュパス
プレビュー用PC IBMThinkpad535MF9
照明クリップ付スタンドx1
60W普通電球x1
三脚カメラ用三脚

 まず、撮影にはハンディカムではなくデジタルスチルカメラ(以下デジカメ)を利用しました。
 デジカメを利用する利点は、データとりこみ時の便利さがあります。
 そして、デジカメならでは、パソコンへのデータ転送を行えば、消費するのは電気代だけということが、製作コストの低下に大きな役割を果たしています。
 DS-20の使用するメモリーカード「スマートメディア」は、フラッシュパスというフロッピーディスク型のアダプタをつければ、フロッピードライブからのデータ取り込みができ非常に便利です。

 ノートパソコンThinkpad535は、データ保管と動画プレビューの二通りの役割があります。
 まず、スマートメディアは8MB(120枚分)の容量しかありませんので、120枚撮影するたびにパソコンのハードディスクなどに転送しておく必要があります。
 そこで、ノートパソコンがあれば、パソコン本体あるいは、電源さえ確保できないような所でもコマ撮りを続けることができます。
 またビデオ編集用ソフトをインストールしておけば、撮影データからビデオファイルを生成して、どうなっているかを途中で見ることができます。
 8ミリフィルムでコマ撮りをしていたころは、撮影終了後に現像に出して、1週間またなければいけなかった事を考えると、隔世の感があります。

 照明は、普通球の使えるクリップ付スタンドを使いました。本来ならカメラ用のレフランプなどを使うべきなのかもしれませんが、用途的にそれほどの照度は要らないと考え、安価でどこでも手に入る普通球の60wのものを使いました。
 三脚は一般のカメラ用三脚を使えれば十分でしょう。

撮影の様子

 撮影は今回アニメーターをする森さんの職場で行いました。日曜なので、事務所は誰もいません。アニメーションを作るのには結構スペースが必要となるため、この場所に決められました。

 早速、セッティングに入ります。テーブルの上にクラフト紙を敷き、ランプを椅子に固定して、左手斜めから照らすようにします。
 蛍光灯スタンドなども使おうかと思いましたが、ホワイトバランスがオートのみなので、変に緑色がかった色味になるため、使用しませんでした。
 DS-20はズームがないため、被写体をそれなりの大きさに写すためには、かなり近寄らなければいけないのですが、そうするとピントが合いにくくなります。
 今回はランプも60wが一灯だけということで、ピントの調節にはかなり苦労しました。やはり60w球ぐらいを使うならば、3灯ぐらいはほしい所です。
 カメラ側のセッティングは、三脚を使って静止画を移すのですからあえて絞りを絞り、カメラ側で自動でシャッタースピードが遅くなるようにしました。
 このねらいはうまくいったようです。

シンゴ君  彼が今回の主役の「シンゴ」君です。カラー粘土によって作られています。
 青い唇がかわいいカタツムリ?(殻ではなくとぐろを巻いているようです)
 タングステンランプの赤い色味と、クラフト紙の色が思いもかけずよい効果を生み出したように思います。
 ここから、森さんの一人の長い長い作業となります。
 セッティングの際に気をつけておくことですが、作業者の回りのスペースはできるだけ多くとって、作業者が移動する際に、三脚やライトや作業台にぶつからないようにすることが大事です。
 カメラ位置や光源方向が変化すると、特にコマ撮りの場合は大きく変化しやすいので、見ている人に違和感を与えてしまいます。
 また、効率よく撮影を進めるためには、アニメーターとカメラマンを分けるのがいいとおもいますが、今回は作業スペースを広く取れなかった都合で、森さんが両方ともやることになりました。

 撮影半ば、シンゴ君の強度が足りなくて、体が起き上がらないことがありました。
 これはシンゴ君の体が細いので、粘土の強度が出なかったからのようです。
 こういう場合は、針金などを体の芯に入れることで解決できるかもしれません。
 今回はとりあえず時間も限られているので、アドリブ的に計画を変更して撮影を進めることとなりました。
 そうして、撮影開始から5時間後、およそ400コマの撮影を終え、クレイアニメのテストは終わりました。
 早速パソコン上で、静止画像をビデオファイルに変換してみます。
 「動いてる!」この瞬間の為にアニメーションを作っていると言ってもいいような、至福の一瞬です。アニメーターの労力が報われるときです。
 思わず何度も再生のボタンを押してしまいます。
 そしてその日は、誰もが満足げな顔でそれぞれの家路につきました。

ビデオへ出力する

 そのままの形ではパソコンの画面で見るだけのビデオなので、やはりテレビ画面へ出力したくなる所です。
 これには、ビデオキャプチャボードが必要となります。
 digi-eightでは、DV-REXを利用して、ビデオに出力することにしました。
 画面のサイズを720x480に設定し、DV圧縮形式で、圧縮します。
 デジカメはもともとJPEG形式での圧縮ですので、2重の圧縮になりますが、出来上がりはかなり綺麗です。
 圧縮時のノイズも、ほとんど気にならないです。
 テレビ放送としても遜色はないといってはかなりいいすぎですが、個人で作ったものとは思えないぐらいクリアな画面です。
 一部、ジャギが出ている部分があるので、カメラの方の設定をFINE撮影モードにする方がいいのかもしれません。
 テレビでどう出力されているのか、お見せしたい所です。

WEB上で公開する

 このまま終わっては、どんなものができたかお伝えすることができないので、RealVideoをつかって公開します。
 データ製作にはRealProducer G2を使用しているので、RealPlayer G2が必要になると思います。
 RealPlayer G2は、ここでダウンロードしてください。
 画面は小さく、圧縮ノイズも凄いので、森さんには悪いのですが、雰囲気だけというかたちで、ご覧ください。

 ファイル名 SHINGO-RV.RM(68KB) 28秒
ストリーム再生(回線混雑時は再生が途切れます)
ダウンロード再生(一度に読みこんで、再生します)

 いかがだったでしょうか。
 今回はテストでしたが、この方法で本編も完成することができそうです。
 今後の作品にも、ぜひご期待ください。

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